任天堂Switch新型の7つのポイント

2017年3月に発売され、魅力溢れる欄ナップでゲームファンを虜としたニンテンドースイッチ。バッテリー持続時間の向上が図られたバージョンアップや、携帯モードに特化した「ニンテンドースイッチ ライト」(以下、ライト)のリリースなど、これまで様々な展開が行われてきました。 先日発表された有機ELモデルは、従来のスイッチ(以下、従来型)とは異なる商品で、新たなラインナップとして登場したもの。もちろん、携帯型のライトとも違っており、スイッチファミリーに加わる新メンバーと言えます。 この有機ELモデルが従来型と比べてどのような違いがあるのか、一目では判別しにくいところもあります。そこで今回は、有機ELモデルの注目すべきポイントや従来型との違い、そしてユーザーのどんな要求に応えてくれるハードなのか、分かりやすく紹介します。

 

 

■どの程度のアップグレードモデルなのか 本体の画面サイズは大きくなり、また有機ELディスプレイを採用するなど、従来型と比べて進歩しているのは間違いありません。一方で、現段階明らかになっている情報を見る限りでは、「圧倒的な差がある」とまでは言えないようです。 この有機ELモデルに関して、ディスプレイを含む出力面の向上やドックの追加機能、本体メモリの増加などが明かされましたが、処理性能についての発表は特にありません。また、CPUの変更やメモリ増設などはないといった回答が、海外メディアを通して報じられています。 ゲーム機における大幅なアップグレードといえば、PS4の性能を向上させたPS4 Proや、3DSを進化させたNew 3DSを思い出す方も多いことでしょう。ですが今回の有機ELモデルは、内部的な性能面において、この両者ほどの発展は遂げていないようです。近しい例を強いて挙げるならば、3DS3DS LLの関係に少しだけ近いかもしれません。 では、この有機ELモデルは従来型とほぼ同じなのかと言えば、それも違います。ユーザーのプレイスタイルによって、大きな恩恵を受ける方とあまり影響のない人に分かれるので、各機能や注目ポイントに迫りたいと思います。

 

 

 

■画面が大きく、そして美しく 有機ELモデルはその名の通り、本体搭載のディスプレイに有機ELを採用。引き締まった深い黒色を表現でき、より深みのあるコントラストで鮮やかな映像を描画することが可能です。 この特長は、携帯モードやテーブルモードで楽しむユーザーにとって、大きな恩恵となります。また、画面のサイズも6.2インチ(従来型)から7.0インチ(有機ELモデル)に拡大。視認性が向上するので、ゲームプレイのしやすさも増すことでしょう。 そして、背面スタンドが大きくなって安定性が増し、好みの角度で固定可能に。さらに、スピーカーも新調され、サウンドがよりクリアになります。 いずれも確かな進歩なので、携帯モードおよびテーブルモードでのプレイをメインにする方にとって、有機ELモデルはかなり魅力的な選択肢と言えます。そしてTVモードがメインの場合は、出力は全てTVを通すため、これらの恩恵には与れません。プレイスタイルで恩恵の有無が大きく変わるので、まずはこのポイントを押さえておきましょう。

 

 

■ドックに有線LAN端子を搭載 有機ELモデルをTVモードでプレイする場合、大きな恩恵となるのが、有線LAN端子の存在です。従来型のドックは有線LANに直接対応しておらず、別売りの有線LANアダプターを導入する必要がありました。ですが有機ELモデルならば、LANケーブルを直接繋げられます。 環境によって状況が変わるものの、一般的には無線よりも有線の方が通信環境の安定に繋がると言われており、FPSやTPSなどをオンラインで遊ぶ場合、有線を選択するユーザーが多くいます。 今も人気沸騰中のバトルロイヤル系STGを好むユーザーや、2022年発売予定の『スプラトゥーン3』を視野に入れている方などは、この有機ELモデルを一考するのもいいかもしれません。

 

 

 

■本体メモリが2倍に─プレイ状況によっては十分な容量ながら、microSDカードで補う手も セーブデータやソフト関連データ(DL版のゲームデータや追加コンテンツ、更新データなど)、またプレイ中に撮影した画像や映像は、本体のメモリに保存されます。従来型の容量は32GBでしたが、有機ELモデルでは64GBになりました。 プレイスタイルにもよりますが、基本的にパッケージ版のゲームを遊び、ゲーム映像を録画しない方であれば、64GB分の容量で十分賄えると思います。また、ダウンロードソフトがメインだったり、映像を残しておきたい場合でも、有機ELモデルを検討するよりも先に、microSDカード(microSDHCやmicroSDXCがお勧め)を導入した方が価格面でもお手軽です。 有機ELモデルのメモリ容量は確かに便利ですが、microSDカードの併用でカバーできるので、この点における有機ELモデルの優位性はあまり重要視しなくていいでしょう。

 

 

■独自のカラーバリエーションも スイッチファミリーはそれぞれ、いくつかのカラーバリエーションが用意されています。有機ELモデルの場合は、従来型にも採用されている「ネオンブルー・ネオンレッド」のほかに、「ホワイト」があります。 「ホワイト」は、マイニンテンドーストアのカスタマイズでも選べませんし、ドックの色も変わるため、この色味に一目惚れした場合は有機ELモデル一択です。ゲームプレイには直接影響しない部分とはいえ、好きな色だと気分は上がるもの。案外、侮れないポイントです。

 

 

■サイズやバッテリー持続時間は概ね同等、重量はやや重め 有機ELモデルのバッテリー持続時間は、ゲームによって異なりますが、約4.5~9時間となります。これは現行の従来型と同様なので、大きな差はありません。また、有機ELモデルのサイズは横に2mm長くなっていますが、ほぼ同じと見て問題ない程度です。 重量の場合は少し違いがあり、従来型は約398gでしたが、有機ELモデルは約420gに。20gちょっとの差があります。それほど大きな差ではありませんが、長時間プレイする場合、負担の増加に繋がる可能性も。携帯モードで頻繁に遊ぶ方は、この点にも留意しておきます。

 

 

■周辺機器との相性は良好、「ドックを使い回す」という選択も 任天堂がリリースしている公式の周辺機器は、有機ELモデルでも使えるのか。この点が気になっている方も多いと思います。先に結論を述べると、従来型で使用可能な周辺機器のほとんどは、有機ELモデルにも対応しています。 Joy-Conはもちろん、ACアダプターや充電スタンド、カラオケ用のマイクにタッチペンなど、ほぼ全てが使用できる模様。例外を挙げるとすれば、現在発売中の「Nintendo Switchキャリングケース(画面保護シート付き)」に同梱されている画面保護シートが、有機ELモデルのサイズに合っていないため、使用できないという程度です。 しかも、この「Nintendo Switchキャリングケース(画面保護シート付き)」は、有機ELモデルの発売と同日の10月8日に、「Nintendo Switch有機ELモデル)」用と「Nintendo Switch」用の画面保護シート、計2種類が付属される新たなバージョンがリリース予定。こちらの商品についても、発売日当日に有機ELモデルへの対応が行われます。ちなみに価格は、これまでと変わらない2,178円(税込)。ささやかながら、嬉しいポイントです。 また、従来型のドックも有機ELモデルに対応しており、“従来型のドック+有機ELモデル”という組み合わせでの使用も可能。さらに、“有機ELモデルのドック+従来型のスイッチ”といった組み合わせにも対応しています。 有機ELモデルを2台目として購入するケースなら、画面の大きい有機ELモデルで携帯モードとテーブルモードを楽しみ、最初に所有していた従来型を有機ELモデルのドックに挿入し、LAN端子を活用して有線でオンラインプレイに励む、といったスタイルも可能です。 各ポイントに詳しく迫ってみましたが、要点を厳選すると「携帯/テーブルモードでのプレイか、TVモードがメインか」「オンライン通信環境を出来るだけ安定させたいか」「ホワイトの色味に惹かれるか」などが特に大きなポイントになります。また、2台目運用の場合は、プレイモードによって使い分け、オンラインサービスでセーブデータをやり取りするのもひとつの手です。 魅力もある一方で、用途によっては従来型でも十分な面もあるため、購入するかどうかじっくりご検討ください。